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【養育費と期限の利益喪失条項】養育費に期限の利益喪失条項を付することは困難です。

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【養育費と期限の利益喪失条項】養育費に期限の利益喪失条項を付することは困難です。

【養育費と期限の利益喪失条項】養育費に期限の利益喪失条項を付することは困難です。

2024/12/12

離婚の際に取り決めることが多い養育費についてですが、養育費も定期的な金銭の支払いであるため、万一の不払いに対しては、対策を検討したいところです。

 

ところで、金銭の分割での支払いでは、支払い履行させるために、「期限の利益喪失条項」を定めることがあります。

これは、分割金の支払いを〇回怠ったときなどに、残額を一度で支払わせるというものです。
期限をもって分割での支払いが認められていること=期限の利益を失わせることから、「期限の利益喪失条項」などと呼ばれています。

 

養育費に関しても、離婚協議書等で取り決めた期間、定期的に、分割して養育費を支払うもので、養育費の不払いがあったときに予定されていた養育費の残額全額を一度で支払わせる、「期限の利益喪失条項」を付することが可能であるように考えられます。

 

しかし、実務では、養育費に危険の利益喪失条項を付することはほとんどありません。
法的には、養育費の請求権は、毎月ごとに具体的な請求権が発生するものであり、事前に取り決めた養育費の総額を一度で請求するものではないと考えられています。

これを前提とするなら、養育費は毎月、個別に養育費の請求権が発生するため、「養育費の残額」という概念がないことになります。

よって、養育費については、「養育費の残額」を一括で支払わせるような「期限の利益喪失条項」になじまないとされています。

実際、裁判所(調停、審判、訴訟)や公証役場でも、養育費に「期限の利益喪失条項」を付することには消極的であるようです。

 

とはいえ、当事者間での合意があれば、養育費に「期限の利益喪失条項」を付することは、理屈の上では可能です。

ただし、公正証書にしたり、養育費の残額を一括請求するような法的手続では、なかなか主張が認められにくいと思います。あくまで当事者間の私的な約束にすぎないことを理解しておく必要があります。

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